イギリスで人気の焼き菓子と言えば「スコーン」、今では日本のベーカリーなどでも簡単に手に入りますが、昔(30年前)はその存在すら知ってる人の方が少なかったのではないでしょうか。
実はこの「scone」、現地イギリス人は「スコン」と短く発音し、スコーンとは言わないそうです。
日本にはスナック菓子で「カリッと美味しいサクサク、スコーン」と、全く同じ呼び名のお菓子が有りますが、昔はこちらを想像した人もいたかと思います。
私がスコーンを焼くきっかけとなる一冊の本との出会いがありました。林望氏の著書「イギリスはおいしい」です、最後にこの本について少しご紹介させて頂きます。
今回紹介するレシピは、焼きあがったスコーンを”狼の口のような~”と表現する「真ん中が腹割れするスコーンのレシピ」になりますが、自己流で配分などをアレンジし、外はサクサク、中はふんわりとなるように仕上げています。
画像を交えて作って行きます、またティータイムの様子も載せていますので最後までご覧くださいね。目次から見たいページにジャンプする事も出来ます。
材料説明 (9~10個分)
- 薄力粉 125g
- 強力粉 125g
(薄力粉250gでもOK、ややソフトな仕上がり) - ベーキングパウダー 小さじ2(8~10g)
- 砂糖 20g~30g
- バター 80g
- 牛乳 80g
- 卵 1個
スコーンの本場イギリスでは中力粉に近い小麦粉を使ってスコーンを作ります。薄力粉と強力粉を半分ずつ使用することにより、外はサクサク、中はふんわりとした仕上がりになり、本格的なイギリス式スコーンを再現しています。
粉類とバターをすり合わせる
1.ボールに粉類(薄力粉、強力粉、ベーキングパウダー)を振るい入れ、砂糖と1㎝角位にカットしたバターを加えます。
2.両手で全体を混ぜながら、指でバターを潰し粉にすり混ぜていきます。
3.バターの大きな塊が無くなり、全体が黄色っぽくなり、さらさらとした状態になります。
まだ小さなバターの塊は残っていますが、この程度で大丈夫です。
卵液を加えます
4.卵(1個)と牛乳(80g)を混ぜ合わせます。
※卵液は最初に作っておくと作業がスムーズです。
卵が小さい時や、冬場で乾燥している時は、牛乳の量を少し増やします。80g→90~100g
5.卵液を先ほどの粉の中へ入れます。
この時、艶出し用にほんの少し卵液を残します。(大さじ1くらい)
艶出し用に大さじ1杯くらい残しました。
6.へらなどで卵液と粉を混ぜ合わせます。
全体がしっとりしてきます。
7.生地がしっとりしたら、手で全体を押し集めながらひとまとめにします。
※この時に生地はこねずにまとめるだけです、ボコボコした感じです。
生地の型抜き
8.強力粉を少し振ったこね台(まな板、パンこね台など)に生地を置き、両手で生地を押し広げます。(手にも強力粉を付けます)
手のひらで優しく押しながら広げます、めん棒は使いません。(厚みのある状態です)
9.座布団を折りたたむように二つ折りにします。また押し広げて二つに折りたたみます、この作業を合計3回繰り返します。
途中、手がべたべたしてきますので少量の粉を付けながら作業します。
この折りたたむ所が腹割れのポイントとなります、生地を傷めないように3回ほどでOKです。
今回使用している台は、製菓用天然大理石のし台(40㎝正方)です。
お菓子作りに購入しました。スコーンを始め、パイやタルト、パン、ピザなどで使ってます。
かなり重く5.5㎏ありますが、生地がくっ付きにくく正方形な板がお菓子作りに最適です。
型抜き
10.生地を2~2.5㎝位の厚さまで手で押し広げ、型抜きします。(今回直径5㎝の型使用)
型に強力粉を付けると生地をスパッと、くり抜くことができます。
型はコップで代用することもできます、同様に強力粉を付けます。
11.くり抜いた生地はなるべく断面を触らないようにして、オーブンペーパーの上に並べます。
くり抜いた断面が持ち上がり、腹割れの決め手となりますのでなるべく触らないようにします。
生地は無駄が出ないように詰めて型抜きします。
12.残りの生地は手でまとめて、また2~2.5㎝位の厚さに広げて型抜きします。(2番生地となります)
最終的に残った生地は手で丸めてスコーンの形に整えます。
13.残しておいた卵液をハケで上に塗ります。
この時、断面には卵液が付かないようにします。
焼成(180℃で15分~20分)
14.180℃に予熱をしておいたオーブンで約15分~20分焼きます。(ガスオーブン使用)
※オーブンにより火力が違うので調整します、電気オーブンだともう少し高い温度(190℃)で長く焼くかと思います。
15.見事に腹割れ状態で焼き上がりました。
狼の口のようにムガーっと割れ目が開けば成功です。
16.焼きたてをお皿に盛り付けて完成です、温かいうちに頂きます。
この他にもスコーンをご紹介していますので、良かったらご覧くださいね。
ティータイム
真ん中の腹割れの所を手で半分に割り、中沢クロテッドクリームと自家製マーマレードをたっぷり乗せて頂きます。
外側はサクサク、中はフワッとしています。
自家製のマーマレードのレシピも紹介しています。ほんのり苦みを残すイギリス式です。
中沢クロテッドクリーム
バターと生クリームの中間的存在(乳脂肪60%)
開けたての糸引くクリームは濃厚でまろやか、スコーンを美味しく食べるには必需品です。
他には少しお高いですが、本場イギリスから輸入の老舗「ロダス社」のクロテッドクリームは絶品です。
紅茶はアーマッドのダージリンです。
今回はミルクティーにしました。
ティーセットは、ロイヤルアルバートの「アメリカン ビューティー」です。
バラの花がイギリスらしくお気に入りのセットです。
千葉県佐倉市にあるマナーハウスでも美味しいスコーンが頂けます。
本の紹介
スコーンを焼くきっかけとなった本「イギリスはおいしい」です。
イギリスの食べ物はまずい~を覆す斬新なタイトルに引き付けられました。
この本との出会いは、子供が小さい頃、図書館に連れていく事が多く、その時ついでに自分も借りてきた本がこれなんです。(後に購入)
著者の林望氏は「リンボウ先生」の愛称で親しまれ、イギリス通な大学の教授です。
イギリスの事をとても楽しく書いた内容で、途中話の流れに沿ってスコーンの作り方や分量が出てきます。私はメモを取り、当時は忠実に再現して焼いてました。
そのスコーンは現地イギリス人のご婦人に教えてもらったとの事で、丸い形ではなく四角にカットする作り方でした。2番生地が出なくて理想的です。
インスタでその再現スコーンを投稿しております。
こちらは今回作ったスコーンです。
他にもイギリスのお菓子を紹介していますので、良かったらご覧くださいね。
最後に
いかがでしょうか、スコーンのレシピは星の数ほど(?)ありますが、狼の口がムガーッと開いたような腹割れスコーンが作りやすいレシピかと思います。
今回ご紹介したスコーンは自己流で配分などをアレンジしており、リンボウ先生の分量とは少し違いますが、基本的な作り方はリンボウ先生がイギリスのご婦人から教えてもらった作り方となります。
是非、本格的なイギリス式スコーンを作ってみて下さい。
コメント